嚥下障害治療

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当院の嚥下障害医療

副院長(リハビリテーション科医師)
足立徹也

嚥下障害があるのでは ? 嚥下障害に対して適切な対策を講ずる必要があるのでは ?とお思いの方は当院外来にご相談下さい。
診察のうえ、嚥下障害の状態を把握し、治療効果の有無、予後、治療の要点をご説明致します。
治療が必要と判断された場合、状況により通院治療、入院治療、適切な医療機関への紹介などを行います。
嚥下障害の評価には、日常的な嚥下障害症状の有無(体重減少、繰り返す発熱、食事に時間がかかる、食事に関連した咳、等々)、各種スクリーニングテスト(水飲みテスト、反復唾液飲みテスト、フードテスト、等々)があります。それらの評価で嚥下障害が疑われる場合に、次の段階として胸部X-Pや血液検査、嚥下内視鏡検査、VF(ビデオ嚥下造影)検査などを行います。一般的に病院受診が困難なケースでは往診医の手により在宅で血液検査や時には嚥下内視鏡検査を行う事も可能です(当院では現在は原則として往診の対応は行っていません)。しかし、より詳細な嚥下状態の評価にはVF(ビデオ嚥下造影)が欠かせないものです。可能であればご来院いただきVF(ビデオ嚥下造影)検査を実施したうえで嚥下障害に対する対策を検討する事が嚥下障害治療の基本と言えます。もちろん様々な理由によりそれが困難であれば、限られた情報の中で最善の対策を講じなければなりません。全ての嚥下障害のケースにVF(ビデオ嚥下造影)を行うことが常に妥当であるということではありません。(当院では嚥下内視鏡、VF(ビデオ嚥下造影)とも実施可能です)
嚥下障害があるケースの嚥下障害の重症度を表すものとして(妥当な栄養摂取方法)以下のようなものがあります。この評価は治療前の状態にも、治療後の状態にも使用されます。

 

【藤島の摂食・嚥下能力のグレード】

  1. 重症経口不可
    • 嚥下困難または不能、嚥下訓練適応なし
    • 基礎的嚥下訓練のみ適応あり
    • 条件が整えば誤嚥は減り、摂食訓練が可能
  2. 中等症経口と補助栄養
    • 楽しみとしての摂食は可能
    • 一部(1~2食)経口摂取
    • 3食経口摂取+補助栄養
  3. 軽症経口のみ
    • 嚥下食で、3食とも経口摂取
    • 特別に嚥下しにくい食品を除き、3食経口摂取
    • 常食の経口摂取可能。臨床的観察と指導要す
  4. 正常
    • 正常の摂食・嚥下能力

 

【才藤の摂食・嚥下障害の重症度分類】

  • 誤嚥あり
    1. 唾液誤嚥
    2. 食物誤嚥
    3. 水分誤嚥
    4. 機会誤嚥
  • 誤嚥なし
    1. 口腔問題
    2. 軽度問題
    3. 正常範囲

 

嚥下障害はなんらかの原因(脳卒中やパーキンソン病など嚥下機能を直接障害するもの、病気の結果による体力低下・栄養障害・呼吸障害など間接的に嚥下機能を低下させるもの)により引き起こされます。
治療により嚥下障害そのものが改善する場合もありますが、嚥下障害そのものはあまり改善せず、食事の方法や食物形態の工夫により誤嚥なく食事ができるようになるという場合もあります。
また最悪の場合は、生命維持のための栄養摂取が経口摂取のみでは困難と判断される場合もあります。

  • その場合には、経鼻胃管(鼻から胃に通したチューブ)からの流動食、または胃瘻(腹部表面と胃との間に通ずる通路)からの流動食という処置が必要な場合もあります。これらの処置は一時的に必要な場合と、永久的に必要な場合があり、その意味合いはかなり異なります。
  • 一時的な経鼻胃管栄養や胃瘻栄養とは、低下した栄養状態を改善させ、経口摂取が可能となるための体力向上を期待するものであり、経口摂取を断念させるものではなく、むしろ経口摂取を再獲得するための積極的な手段です。経鼻胃管や胃瘻からの栄養補給により体力が向上し、その結果経口摂取が可能となれば、経鼻胃管や胃瘻は終了となるのです。ここのところがあまり理解されず、いたずらに経鼻胃管や胃瘻が否定されてしまうことがありますが、それはむしろ経口摂取の可能性を狭めることになるのだという事も理解しておく必要があります。

 

嚥下障害治療の結果は上記のごとく様々です。いずれの結果に対しても、当院においては患者様ご本人・ご家族に正しい知識・情報を提供したうえで、そのご意見のもと、最も適切な処置を提供する事が可能です。

こうした方法論は、嚥下障害に関わらず、リハビリテーション医療一般の場合と全く同様なのです。病気そのものによる障害(①生物学的障害)、その結果として引き起こされる障害(②能力障害)、更にそれが社会活動に及ぼす障害(③社会的不利)、この3つの障害を常に念頭に置いた治療行う。それがリハビリテーション医療です。

 

 

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